ジャムを作りませんか
我が家では毎年いろいろなジャムを作ります。ちょうど一年たったころに食べ終わります。果物は酸味がありますので、必ずほうろうかガラスの鍋を使ってください。すべて砂糖は重量の80%にしてありますが、お好みにより、加減して下さい。ただし、砂糖の量が少なすぎるとカビが生えやすくなります。
最後にビン詰の保存法を書きますのでご参考に。
オレンジマーマレード オレンジピール ブルーベリージャム 桃ジャム アンズジャム リンゴジャム 梅ジャム ルバーブジャム 脱気保存方法
1 オレンジマーマレード
春一番のジャム作りは、オレンジマーマレードです。暮れごろからあちこちの庭にオレンジ色の夏ミカンがなっているのが見られます。取らないで落ちるにまかせている庭を見ると、ああもったいないと思ってしまいます。うちのミカンの木は、全然花もつけず実もならないのです(でも、葉にアゲハ蝶の幼虫が住んでくれるので、切らないでいます)。ジャム作りは簡単ですが、このマーマレードだけは手間と時間がかかります。でも、とても香ばしくておいしいのが出来上がりますよ。
作り方
- ?皮の苦みをとるために、一晩つけて絞る方法もありますが、私はこの苦みが好きなので、この工程は入れません。
・ 夏ミカンは、無農薬、無ワックスのものを使ってください。
- 夏ミカンの重量を量っておき、たわしのようなブラシを使って熱いお湯でよく洗います。洗ったら大体6片位に皮をむき、へたを除いてナイフで細く切ります。この作業がちょっと大変ですので、私は一部だけ細切り、残りはフードプロセッサーで細かくします。家庭用ではこれで十分です。また、身の入った袋は、縦に切ってから種を取りだして二つ三つに切っておきます。袋ごとでいいのです。種は使いますので、捨てないように。これで準備はOKです。砂糖は、夏ミカンの80%(1kgなら800g)ほど用意します。
まな板でナイフで切ったもの
フードプロセッサーで切ったもの
- ほうろうの鍋に細く切った皮を入れ、水をひたひたに入れて煮ます。弱火で1時間ほど煮ますと、うち中にいいにおいが漂い、ちょっと幸せ気分です。つまんで柔らかくなっていれば、ここにさきほど種を取った果肉入りの袋をすべて入れ、砂糖の3分の1を入れてまた弱火で煮続けます。このとき、先程取り分けておいた種も入れて一緒に煮ます。
- 30分くらい煮たら、また3分の1の砂糖を加えて混ぜ、一晩寝かせます。
- 翌日また弱火で煮ますが、この辺からはつきっきりでかき混ぜてください。さもないと、焦げてしまいます。30分ほど煮たら残りの砂糖をすべて加えて混ぜ、また一晩寝かせます。
- さあ、最後の日です。仕上げ煮ですが、もうどろりとしてきますので、焦げないように混ぜながら上に浮いてきた種を取ります。種の中のペクチンが作用してどろりとなるのですが、この辺でお役御免です。全部取り除いた頃、出来上がりですが、ジャム作りで一番難しいのが仕上げの時です。熱いと柔らかすぎのような気がしますが、冷えると少し硬くなりますので、その辺を考えて火を止めてください。大体木べらでかき混ぜて鍋の底がちらりと見えるくらいがよいようです。柔らかすぎたらヨーグルトにかけるとか、ロールケーキの中に巻くとか、使い道はありますが、また火にかけて少し水分を飛ばして固くしてもいいですね。
ドイツ(Fissler)製のほうろう鍋です。大変高価でしたが、思い切って買って30年、今考えると安い買い物でした。
**ミカンの厚い皮に切れ目を入れるのにちょうどよいものを見つけました。名前は「ムッキーちゃん」デパートで数百円でした。
![]()
白い部分の先のとがりで皮に切れ目を入れ、黄色い部分の左上の刃で実に裂け目を入れます・・左の写真
使わない時には折りたたんで・・右の写真
夏ミカンの皮はマーマレードのほかに皮を砂糖煮してケーキに使ったりしますが、ここでは
皮だけを砂糖で煮てちょっとしたお茶受けにしてみました。とてもおいしいと評判です。
夏ミカンは、外側の皮は皮むきで剥きますので、市販の夏ミカンでもワックスとか農薬とか心配
しなくて大丈夫です。むいた外皮は捨てます。
このように、野菜の皮むきで(ちょっと力はいりますが)、ぐるぐると皮をむいてゆきます。
この皮むきは、結婚した時にに買ったもので、いまは存在しない West Germany と書いてある
ので相当古いものですが、まだ現役で活躍しています。ドイツの台所製品はすばらしいです。
むき終わったら上記のマーマレードのように、ムッキーちゃんで皮を縦に6片くらいに切り取り、
細く切ります。なるべく三日月型か細三角形に切ると格好良いです。
むいた千切りの皮を水に約1時間漬けます。それからざるにあげて重さを計り、同僚の砂糖を
用意します。一緒にホウロウ鍋に入れ、弱火で煮てゆきます。水は入れません。水を含んだ
千切りの皮から水分が出てきて、焦げないように時々上下を返して煮てゆきます。20分くらい
煮ますと皮が透明になってきますので、ここで少し火を強めて鍋から離れないように焦げないよ
うに鍋をゆすりながら見張って、水分を飛ばします。ほぼ水分がなくなったら火を止め、バットに
グラニュ糖を用意します。数本ずつグラニュ糖の中でゴロゴロと回して砂糖をまぶします。
これで出来上がり。おしまいです。
左からブルーベリージャム、梅ジャム、オレンジマーマーレード
私の家の庭にはブルーベリーの木が2本あります。春先に鈴蘭のような白い可愛い花をつけ、6月頃から実がなりはじめます。毎日一つかみほどしかとれないのですが、それを冷凍しておき、実が終わる頃までには1~2kgになります。重量の約80%の砂糖を用意し煮ますが、パイ用には実をつぶさないようにそっと煮、そのままビン詰にします。ジャム用には、木べらでつぶしながら煮てゆきます。すべてのジャムに共通ですが、あまり時間をかけますと香りが飛んでしまいますので、つきっきりでかき混ぜながら手早く仕上げましょう。
桃は、値段が高いので私は少し痛んで安く売っているのを使います。皮をむき、痛んだところと種を取って重量を量り、80%の砂糖を用意します。酸味が少ないので、レモン汁を最後に加えますが、(レモン汁の量を考えて)少し硬めに仕上げておいてから加えます。
6月になると、東京ではアンズが出回ります。でも、アンズの売っている期間は短いので、あらかじめ目をつけた八百屋さんをちょくちょくのぞきましょう。
アンズをよく洗い、皮のままナイフで実を取りはずし(簡単にとれます)、重量を量りその80%の砂糖を用意します。初めから砂糖の全部をアンズに入れ、つきっきりでかき混ぜます。アンズと梅はペクチンが多く、冷えると固くなりますので、他のジャムよりはゆるい段階で火を止めます。アンズと次に述べる梅は酸味が強いので、砂糖を80%以下にするとおいしくなりません。
梅のジャムは一番大変です。うちの梅は今年は豊作と聞くと、ギャッとなってしまいます。が、、、、
梅のジャムは酸味が多くて、大変おいしいジャムです。青い梅または少し黄色くなったものを使います。アンズと違って熟する前ですので、種はなかなか外れません。ナイフで丁寧に皮のまま厚むきするようにして実をとりはがしてゆきます。実がまだ固いのでこれがちょっと難関です。むき終わったらあとはアンズジャムと同じです。以前韓国からの留学生が二人、ちょうど梅ジャムを作ろうとしたときに遊びにきましたので、手伝ってむいてもらいました。二人で何やら韓国語でいろいろとしゃべりながら楽しそうに実をはずしてくれました。出来上がったジャムを持ち帰ってもらいましたら、二人とも初めて食べたけれどおいしかったといってとても喜んでくれました。酸味が強いので、もちもよいジャムです。実が固いので砂糖を入れたら焦げないように鍋から離れずにかき混ぜていてください。アンズと同じく、大変ペクチンが多いので、まだ少しゆるいかなと思う頃に終わりにします。
リンゴは紅玉を使います。あまり出回っていませんので、私は生協で取り寄せています。リンゴは表面をよく洗い縦に6等分します。それを巾3-5ミリくらいにスライスします。重量の80%の砂糖を加え、ブルーベリーと同じように、ジャムにするにはかき混ぜて、パイ用にはつぶさないように姿を残して煮ます。
《ついでに簡単アップルパイの作り方 》
市販の冷凍パイ皮を麺棒で少し伸ばし、4:6程度の二つ折りにして、大きいほうの皮をさらに二つに軽く折り、端2センチくらいからナイフで5ミリ間隔くらいの切れ目を入れます。皮を伸ばして先の4:6の4の方にリンゴをのせます。残りの切れ目の入った皮をかぶせて、端を水でぬらして上下をくっつけ、出来ればつや出しのために切れ目の入った上の皮に卵黄をといたものを塗りつけ、180℃のオーブンで約20分焼きます。
左:砂糖で煮てジャムにしたもの 右:生のルバーブ 葉は使わない
私は子供の頃札幌で育ちました。札幌の家の庭にはルバーブがあり、これを切ってきてほうろうの鍋に入れ、砂糖を入れてジャムにし、パンにつけて食べたことを思い出します。ちょっと見にはフキのようですが、酸味があっておいしいので、パイにしたりもします。ルバーブは丈の高い植物です。大きな葉を落とし、40-50センチある茎を5センチくらいに短く切って砂糖をまぶしてしばらく置くと、水分が出てきます。煮るとじきにどろりと崩れてきて、すぐに食べられます。上の右の写真は、冷凍保存する前の写真です。生のルバーブは冷凍保存が出来ます。適当に切ってポリ袋に入れて保存してください。
ビン詰はきちんと脱気をしておかないとカビが生じます。すぐに食べる分には問題ありませんが、長期保存には脱気は必要です。
2014.06.16 更新